臨床工学科

臨床工学科理念 

 私たちは、医療機器の適正使用のために知識や技術を臨床現場に提供し、医療安全および医療の質向上に貢献をします。

業務体制

 現在、臨床工学科には19名の臨床工学技士が在籍しており、医療機器管理業務や臨床支援業務を中心に24時間体制(休診日・夜間は日当直制)で業務を行っています。

当院での業務内容

1 血液浄化センター業務/移植関連業務

 血液浄化センターでは、血液透析療法(HD、on-line HDF、ECUM 等)を中心として、血漿交換、血漿吸着などの特殊血液浄化(アフェレシス)、腹水濾過濃縮など、様々な業務を行っています。

 当院ではこれまで慢性維持透析も一部受け入れておりましたが、2024年度より急性期病院としての役割に専念するため、入院時透析と導入期(透析導入から約1ヵ月間)の透析に注力する体制となりました。

 また、当院は超音波エコーを積極的に活用できる環境下にあるので、エコーを用いてシャントチェックすることはもちろん、穿刺に関してもエコーガイド下穿刺を積極的に取り入れて、より安全に穿刺ができるようにしています。

    

 当院は血液疾患治療に関連する移植認定施設です。臨床工学技士はドナーの方から採取した血液を遠心分離装置にかけて移植に必要な成分のみを抽出する工程(PBSCH、BMP 等)を担っています。  

 

2 内視鏡センター業務

 内視鏡センターでは、内視鏡装置や内視鏡スコープの始業点検および終業点検、電気メスなどの始業点検といった機器管理業務を中心としています。さらに臨床支援業務としては、検査・治療前の機器セッティングをはじめとして、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、内視鏡バルーン拡張などの内視鏡治療時に、助手として医師の直接介助を行っています。また、内視鏡センター内における機器トラブルに対しては迅速に対応しています。

 

3 手術センター業務

 手術室内における電気メスや麻酔器などの医療機器管理をはじめ、内視鏡装置・手術支援ロボット(da vinci Xi/SP)・手術ナビゲーションシステム・自己血回収装置を扱う手術に立ち会い、これらの機器の操作・管理を行っています。

 また、脳や脊椎などの手術時に体性感覚誘発電位(SEP)・運動誘発電位(MEP)・聴性脳幹反射(ABR)・視覚誘発電位(VEP)・近赤外線酸素モニター(NIRO)などのモニタリング装置のセッティングや監視・操作などを行っています。

 また手術室内の機器管理として、麻酔器などの定期点検を行い、機器に関する問い合わせの対応や機器トラブル発生時の初期対応をしています。

 

 ロボット支援下手術実施実績

  da vinci Xi da vinci SP
2021年度 210
2022年度 239
2023年度 305 13

 

 当院は京都府内で積極的にロボット支援下手術を行っている施設の一つです。症例数の増加に対応するため2023年度末より単孔式の da vinci SPを加えた二台体制となりました。

 

4 救急室(ER)・集中治療室(ICU)関連業務 

 ERでは、主に人工呼吸器導入介助や心肺蘇生時の業務支援など、特に医療機器に関連した分野で柔軟な対応を行っています。
 ICUでは、人工呼吸器の導入や、血液浄化装置、補助循環装置、体温管理装置など様々な生命維持管理装置の操作および保守管理を行っています。

 

5 心臓カテーテル検査・ペースメーカ業務

 心臓カテーテル検査室では、ポリグラフ(心電図・血圧等)の操作や解析をはじめ、造影剤自動注入器のセッティングや血管内超音波(IVUS)などの各種診断機器の操作や解析、体外式ペースメーカや補助循環装置(IABP/ECMO)の導入、その他様々な医療機器の操作や保守管理などを行っています。

 ペースメーカ業務では、コメディカル外来にて外来点検を主に行っています。外来点検ではペースメーカプログラマの操作や、医師の指示に基づいた設定変更を行っています。さらに、インターネットを活用した遠隔モニタリング解析も行っており、より細やかなフォローアップを行っています。また、手術時や放射線治療、MRI撮影時などの際に、ペースメーカが安全に作動しているかの確認も行っています。

 

6 医療機器管理業務 ・人工呼吸器関連業務

 医療機器管理業務では、院内にある医療機器の保守・管理を行っています。人工呼吸器・輸液/シリンジポンプ・心電図モニターなどの医療機器は、円滑な貸出が出来るようMEセンターで中央一括管理をしています。また、医療機器の使用状況や修理状況を把握することで適切な保守・管理に努めています。

 2024年度より医療機器管理システムを MARIS に更新しました。修理依頼書の電子化や中央貸出機器のオンライン確認を可能にするなどして積極的なDXによる業務効率改善を推し進めています。

 

 人工呼吸器業務は、導入および離脱や搬送など、特にトラブルが起きやすい状況での臨床支援をはじめ、ICU・一般病棟・新生児集中治療室(NICU)などで使用されている人工呼吸器が問題なく動作しているかの巡回点検を1日1回以上行っています。また、院内職員に対しての人工呼吸器研修会を開催したり、呼吸ケアサポートチーム(RST)の一員としてチームラウンドを行い、人工呼吸器の早期離脱や安全運用のために多職種で協力しています。


 

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京都市立病院

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