クリニカルパス
これまでは、例えば同じような帝王切開術を行った場合でも、極端な話、A先生の術前術後の検査・処置と、B先生が行う術前・術後の検査・処置が、全くではなくても微妙に異なっていたことから、退院日が、B先生の方がA先生に比べて1日早かった、というケースが、多くはありませんでしたが、やはり存在しました。このために、均一化、標準化されたより質の高い医療を提供するために、インフォームドコンセントの理念に基づいた、わかりやすい透明化された医療を提供するために、作成されたものが「クリニカルパス」です。
多くは、医療職用のものと、患者さん様のものの2種類があり、一例として、当院産婦人科で使用している経腟分娩された場合と、予定帝王切開手術のための「患者さん用パス」を掲載します。
術前に確認することで、患者さんもその家族の方も、術後何日目にどんな検査があって、離床や歩行が開始して、およそどれぐらいの期間入院して退院予定となっているかが、一目瞭然で理解できるとともに、種々の疑問点があった場合も具体的に質問しやすくなっています。分娩や手術で入院予定となった方は、是非このパスを熟読して、ご自分でもよく理解して手術に臨んでください。もちろん、クリニカルパスは、あくまで標準化されたものですので、たとえ1日、2日予定がずれても(例えば、痛みが強くて、尿道カテーテルを抜去してトイレまで歩くのが1日遅れてしまった、など)、それはありうることですので、心配する必要は全くありません。