院長あいさつ
令和7年4月、第17代京都市立病院長を拝命しました清水恒広です。京都市立病院へは平成13年に感染症科部長として赴任し、令和2年からは副院長として、流行し始めたばかりの新型コロナウイルス感染症対応に追われる中、病院の運営や管理に携わってまいりましたが、このたび、黒田啓史前院長の後任として、大任を仰せつかりました。病院の運営や経営の面ではまだまだ勉強することは多々ございますが、粉骨砕身努力する所存ですので、なにとぞよろしくお願いいたします。
まず、昨年度からの当院の状況ですが、当院は現在地域がん診療連携拠点病院として、安全で質の高いがん医療の提供を推進しています。その経過の中で、手術治療については平成25年(2013年)に手術支援ロボットダヴィンチSiを導入し、その後ダヴィンチXiへと機種変更を行い、長らくダヴィンチ 1台体制で臨んでいました。しかし2024年2月より、さらに低侵襲で整容性に優れたダヴィンチSPを新たに稼働させ、この2台を使い分ける体制とし、ダヴィンチ使用診療科として、泌尿器科、呼吸器外科、消化器外科の3診療科に産婦人科も加わり、手術件数の増加に取り組んでいます。
また、当院では、がんを経験された方、治療中のご家族を持つ方が、安心してご相談いただける窓口として「がん相談支援センター」を設置しています。当院のこの「がん相談支援センター」が、令和7年1月から、国立がん研究センターによる「認定がん相談支援センター」に京都府内では初めて認定されました。当院のがん患者さんに寄り添う相談支援が高く評価されたものと、担当職員一同の励みになっています。
一方、令和6年10月に、ドイツシーメンス・ヘルシニアーズ社製の最新鋭のバイプレーン血管撮影装置を導入し、11月中旬より本格稼働させ、血管内治療を積極的に進めております。この新しい機器は、透視・撮影線量の大幅な低減と、高精細な画像構築能力による視認性の向上に特徴があり、患者さんにはより安全かつ安心に受けていただける治療となっています。
今年度の新たな取組みとして、地域連携室でのWeb予約システムを今年度比較的早い時期に導入することにしています。医療機関の皆さまには、診療の場で患者さんにお待ちいただくことなく、迅速かつ確実に、当院への受診予約をお取りいただけるものと思います。現在できるだけ早い稼働に向けて、連携室職員一同、着々と準備を続けております。
包括的ながん診療は当院の主要な診療機能のひとつですが、自治体病院としての責務である、感染症医療、災害医療、救急医療、小児・周産期医療など政策医療については、「市民のいのちと健康を守ります」という京都市立病院機構の理念のもと、引き続き積極的に取り組む所存です。地域の皆さまにおかれましては、さらなるご支援を賜りますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。最後になりましたが、今年は京都市立病院の設立60周年の記念すべき年となります。色々なイベントも企画中ですので、どうぞ楽しみにお待ちください。
令和7年4月
京都市立病院長 清水恒広