院長ご挨拶
令和2年4月に当京都市立病院の院長に就任し、病院の運営に携わってまいりましたが、この3年間はまさにコロナ禍との戦いでした。院内の全ての部署で、できる限りの感染対策を継続してきましたが、いくたびかクラスターを経験し、新興感染症の怖さと感染防止の限界を思い知らされた3年間でもありました。
このように長期に渡ったコロナ禍ですが、1月上旬にピークを迎えた第8波も3月末には一旦収束しており、5月のゴールデンウィーク明けには、感染症法上の扱いが2類相当から5類に変更されることになりました。世間では、ウイズコロナからポストコロナへの風潮が高まり、以前の生活が戻りつつありますが、新型コロナウイルスの感染力が弱まったわけではなく、第9波の到来も危惧されていますので、医療機関としてはまだまだ油断できない状況が続くと、気を引き締めています。
さて今年度から、京都市立病院機構の第4期中期計画期間が始まります。中期計画の骨子としては、加速する少子化、高齢化や将来の人口減少を念頭に置き、新たな新興感染症の流行等の変化を的確にとらえて、自治体病院として、患者サービスの向上や地域包括ケアシステムの構築に寄与し、質の高い医療を地域全体で提供できるよう取り組んでいくこととしています。また、中期計画初年度となる本年度令和5年度は、市立病院の重点取組として、「新興感染症に対応した病院運営」、「がん医療のさらなる推進」、「Patient Flow Management (PFM)の取組推進による医療の質の向上と経営の安定化」、「働き方改革への対応強化」、この4点を掲げており、職員一同協働して進めていきたいと考えています。
もちろん自治体病院の使命である、感染症医療、救急医療、小児・周産期医療などの政策医療は、引き続きしっかり取り組んでいく所存ですので、地域の皆様には今後益々のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和5年4月
京都市立病院 院長 黒田啓史