血管造影・IVR(受診される方向け)

全身用装置 SIEMENS社 ARTIS icono D-Spin

心血管造影装置 PHILIPS社 AlluraClarityFD10
血管造影・IVR(Interventional Radiology:インターベンショナルラジオロジー)とは
太ももの付け根、あるいは手首・肘の血管に麻酔をしてから針を刺して、その小さい穴からカテーテルと呼ばれる細い管をいれて目的の血管へ進め、カテーテルの先から造影剤を流し血管の撮影を行い診断します。
診断の結果により、つまった血管や細くなった血管があれば拡げたり、外傷などで破れて出血した血管があればつめて血を止めたり、がんを養っている血管があれば、抗がん剤をがん近くから注入して血管をつめたりする治療を行います。
IVRは外科的手術に比べて侵襲が少なく、負担も少ない治療です。
通常は針を刺すところにだけ麻酔をするので検査・治療中でも患者さんは起きている状態の場合が多いです。そのため検査・治療中はベッドが狭いため、じっとしていてもらう必要があります。
また、必要に応じて息止めをお願いする事もあります。
部位によりIVR科・脳神経外科・循環器内科・消化器内科の医師が診断・治療を行い、放射線技師・看護師・臨床工学技士がチームとなりサポートします。
当院での血管造影・IVRは、全例、放射線技師が参加し放射線管理を行うことによって、術中の放射線被ばく軽減に努めています。
2024.10 全身用血管造影装置更新!
2024年10月に全身用血管造影装置が新しくなりました。バイプレーンシステムの導入により検査時間の短縮・造影剤量軽減が期待できます。また、最新の様々なアプリを使用することにより高度な画像支援を行えるようになりました。
当院のIVR画像・症例集
頸動脈ステント留置術
首の血管が細くなっている血管造影画像です。
カテーテルから血管に直接造影剤を流すと、造影剤が黒く写り血管の走行がわかります。
回転撮影をしてCT検査のような3次元(3D)画像を作成することも可能です。
また、治療のときにどのようにステント(金属網目の筒状の機器)を拡げるかシミュレーションすることが可能です。
治療の際は、カテーテルを目的の血管まで進めていき、血管を風船で拡げて通り道を確保してからステントを血管にしっかりと密着させます。
細くなっていた血管がステントによって拡がり流れがよくなっています。
塞栓血管ガイドを用いた 肝細胞癌に対するTACE (肝動脈化学塞栓療法)
術中に撮影した3次元画像を用いて、その場で肝臓のがん(黄色矢印➡)へ栄養を届けている血管までのガイド画像を作成することができます。
ガイドを参考にしながら撮影にて確認し、目的の血管へカテーテルを進めています。がんの近くまで届いたら直接抗がん剤を流した後、その血管をつめて栄養がいかないようにして治療完了です。治療後、つめたところ(青色矢印➡)は白くなっています。
左右の脳血管合成画像
右と左で撮り分けた画像を合わせることで、病変にどのように血液がまわっているか観察しやすくなります。
心血管造影
心臓の血管です。この血管が詰まってしまうと心筋梗塞になってしまいます。