肥厚性幽門狭窄症
肥厚性幽門狭窄症について
胃の出口には幽門筋という括約筋があり、胃の中に入ってきた食べ物を一定時間とどめてから小腸へと流すことで、消化をしやすくします。肥厚性幽門狭窄症では、この幽門筋が異常に分厚くなりミルクが全く流れなくなってしまいます。それまで元気にしていた赤ちゃんが急にミルクを吐くようになります。赤ちゃんは何度も吐くのですが、お腹が満たされないために、吐いたそばからミルクを欲しがるという非常に酷な病気です。生後3週間から2ヶ月頃までに多く見られます。
治療法について
治療法には、手術療法と保存療法(アトロピン療法)とがあります。保存療法は、①治療効果が現れるまで1週間前後かかりその間ミルクを飲むことができない、②治療効果が一定でなく効果がなければ最終的に手術となる、③薬の副反応などの問題があるため、当院では手術療法を行っています。
手術には開腹手術と腹腔鏡手術があります。開腹手術の場合、皮膚切開には2つの方法があります。当院では、術後の傷痕が目立たないようにするために、腹腔鏡手術もしくは臍輪切開での開腹手術を行っています。
術後の経過
手術の翌日から哺乳が可能となります。少量から開始しますが、大体1〜2日で普段と同じ量が飲めるようになります。順調に経過すれば術後2~4日で退院が可能となります。