乳がんの検査について
マンモグラフィー
乳房を詳しく調べるレントゲン検査です。乳房を挟みながら、圧迫して薄く延ばしてレントゲンで撮影します。乳がんがあると、しこり(白い影)や異常な石灰化、乳腺の組織のひきつれなどとして認めることがあります。
乳腺超音波検査
超音波検査は、エコー検査とも言われ、超音波を乳腺等に当てて、その反射を画像にして内部の性状を調べる検査です。皮膚の表面にゼリーを塗り、プローベと言われる器具をあてて、乳腺内のしこりの有無などを調べる検査です。
MRI
強い磁力を発生する装置を用いて乳腺を映像化し、病変の有無、良性悪性の鑑別、乳がんの病巣の広がりなどを診断する検査です。乳房専用コイルを使用し、鮮明な画像が得られます。他の検査に比べて、乳がんの検出率が高いのが特徴で、乳がんの存在診断、乳がん病巣の広がり診断などに大変有効です。
CT
乳がんの患者さまの初回CT検査時には、乳がん病変を明確に描出するための専用の画像処理を追加しています。また、仰向けで撮影するため、手術時の体位に近い状態での病変の位置確認が可能です。治療前のリンパ節・肺・肝臓・骨転移などの検索のためにも行われます。
骨シンチグラフィー検査
がんが骨へ転移しているかどうかを検出するための検査の一つです。検査は、まず骨シンチグラフィーの薬の注射を行い、薬が全身に浸透する注射後3時間ころから約30分程度の撮影を行います。
PET-CT
乳がんと診断された方に対して、広い範囲で転移の有無を調べるために行われます。同時に撮影するCTにより、病巣の位置が明確になります。被曝線量について低く抑えることができるソフトウェアを搭載していますので、安心して検査を受けて頂けます。
細胞診検査
穿刺吸引細胞診検査と擦過細胞診検査があります。穿刺吸引細胞診検査は、超音波検査で乳房にしこりなどを認めた場合に、採血でも使用する細い針(通常22G針)で病変を刺して、内部の細胞を吸引して採取し、顕微鏡で検査するものです。簡便で、検査当日に入浴も可能です。初診の時に必要があれば施行することが多いです。擦過細胞診検査は、乳頭分泌物を採取して顕微鏡で検査するものです。結果が出るまでに、3−4日ほどかかります。
生検(マンモトーム生検、バコラ生検、針生検など)
画像検査で悪性病変が疑われるような場合に、局所麻酔をした上で、少し太い針で病変を穿刺・採取して顕微鏡で検査をするものです。針生検と吸引組織診(マンモトーム生検、バコラ生検)があり、吸引組織診ではより多くの検体を採取することができます。良性・悪性の鑑別や、乳がんの場合は、性状(サブタイプ)を確認することができます。この結果をもとに、乳がんの性状によっては手術の前に化学療法を行うこともあります。結果が出るまでに、7-10日ほどかかります。